先に機材を買わない
良いタブレットを買えば描ける気がしますが、実際には完成させた経験が先です。今ある機器で短い一話を最後まで描いてみれば、何が不便かが具体的に見えてきます。そのうえでその不便を解決する機材を買う方が、ずっと正確です。ある人は画面の大きさが、ある人は筆圧が、ある人はソフトウェアがボトルネックになります。中古の機材や手頃な入門向けのもので始めてみるのも、不便な点を確かめるよい方法です。
高価な機材が実力を作るわけではありません。先に決める作業の規格、色と明るさの問題、ファイルを失う事故の防ぎ方、ソフトの選び方、時間を減らす習慣をまとめました。
良いタブレットを買えば描ける気がしますが、実際には完成させた経験が先です。今ある機器で短い一話を最後まで描いてみれば、何が不便かが具体的に見えてきます。そのうえでその不便を解決する機材を買う方が、ずっと正確です。ある人は画面の大きさが、ある人は筆圧が、ある人はソフトウェアがボトルネックになります。中古の機材や手頃な入門向けのもので始めてみるのも、不便な点を確かめるよい方法です。
入力機器は大きく、画面に直接描く方式と、板を見ずに画面を見ながら描く方式に分かれます。後者は慣れが必要ですが値段がずっと安くなります。画面の大きさは作業速度に直接影響し、筆圧の段階は線の表現に影響します。
ウェブトゥーンは縦に長くつながる形式なので、一つのファイルを際限なく長くするとソフトウェアが重くなります。通常は一定の長さで区切って作業し、最後につなぎ合わせます。解像度は画面で見る基準に合わせればよく、印刷用のように高くすればファイルが重くなるだけです。プラットフォームごとに推奨の規格が告知されているので、それに従うのが安全です。作業の規格は最初に決めたとおり最後まで保たないと、回ごとに大きさや画質が変わる問題を防げません。
自分の画面できれいだった色が、他の人の画面では違って見えます。特に暗い場面は、明るい画面でよく見えていたものが普通の画面ではつぶれます。作業の合間にスマホで確認する習慣が助けになります。文字と背景のコントラストが十分かも併せて見るとよいでしょう。できれば明るさを下げた状態でも一度確かめると、さまざまな環境の読者を考慮できます。
作業ファイルが壊れたり機器が故障したりして原稿を失うことは珍しくありません。話数ごとに自動でバックアップされる場所に保存し、完成した原稿は別にもう一組保管する習慣が必要です。締め切りの直前にこうした事故が起きると、代わりの方法がありません。バックアップの場所を二か所以上に分け、ときどきバックアップのファイルが実際に開けるか確かめることも忘れないようにしましょう。
お絵かきソフトは種類が多いものの、ウェブトゥーンの作業で実際に差が出る機能はいくつかに絞られます。縦に長いキャンバスを扱いやすいか、コマ割りと吹き出しの道具があるか、よく使うペンや効果を保存しておけるかが作業の速さを左右します。最初は無料版や体験版で短い原稿を一つ仕上げてみて、不便な点がはっきりしたら、そのとき有料の道具を考える方がよいでしょう。定額制か買い切りかも、長い目で見た費用に影響します。
連載を長く続けるには、絵の腕と同じくらい作業の効率が大切です。よく使う背景や小物を前もって描いておいて使い回せば、毎回同じものを描き直す時間を減らせます。ショートカットキーを手に覚えさせ、レイヤーの名前と順番を一定のルールで整理しておけば、修正のときに迷いません。ネームの段階で演出を十分に固めておけば、線画と色塗りの段階で直すことが大きく減ります。
機材の性能より長く続けさせてくれるのは、体に合った作業環境です。タブレットを低すぎる場所や遠すぎる場所に置くと肩や手首に負担がたまり、画面を見下ろす姿勢が長く続くと首から先に痛くなってきます。モニターは目の高さに近く、タブレットは腕を楽に置ける位置に置き、一時間ごとに手と肩をほぐすとよいでしょう。手首の痛みが続くなら、機材を替える前に医療機関で診てもらうことが先です。